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2003年10月08日 更新

建築・住宅を建てたい方へ−知っていただきたいこと 3

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知っていただきたいこと−目次
| 1.はじめに | 2.気持ちよく過す | 3.コンセプト | 4.構造1 |

コンセプト

よく「この建築のコンセプト」という説明を聞くと思いますが、コンセプトって何か、分かりにくいですよね。ひょっとして建築家が格好つけているだけじゃないか、と思われるかもしれませんが、そうではありません。すばらしい建築家とはすばらしいコンセプトをたてることができ、またそれを建築に実現化できる人だと思います。

コンセプトって?

コンセプトとは、その建築をどのような考え方で作るかを表したものです。気持ちよく過ごすで挙げたいろいろな要素も、しっかりとしたコンセプトができていればおのずと選択肢は決まってきます。なぜその素材、デザイン、性能等を選ぶのか、根拠になるものです。

コンセプトは施主と設計者でコンセンサスを取りながら作っていきます。コンセプトを作るときにはその人の知識や性格、倫理観などが反映されます。すばらしいコンセプトとはどんなものか、判断が難しいですが、例えばよくお役所の建物で「ABC村のAにちなんでAの形の建物にしました」というのは、それだけではあまりいいコンセプトとはいえないと思います。ただ、そういう「コンセプト」はお役所内や、いろんな場所で相手を納得させやすいので、よく見られることは否めません。

建築家の中には、時にはコンペにおいてでさえ、落選を承知で、設計条件として与えられたコンセプトに合わない、独自のコンセプトに基づいた案を出す人もいます。そうすることで、設計条件のコンセプトの是非を世間に問うているのだと思います。

具体的にどんなコンセプトがどんな建築になるのかは、建築散策でご紹介できればと思います。

建築とその周辺の関係についてよく考えましょう

コンセプトをつくるときに是非考えて頂きたいのは、建てる建築と周辺の関係です。「周りと全く関係なく、目立つデザインにする」というコンセプトも有得ますが、成り立つ場合は限られてくると思います。なぜなら、建築はたとえ個人の所有物であっても、文房具や家電と違って、その地域の景観をつくり、街の空間を形成するという責任があるからです。

学生のときにマルセイユの建築専攻の学生が、教授同士が知り合いということで 大勢尋ねてきたことがありました。マルセイユの学生と、こちらの大学の学生が数人ずつ代表で自分の設計案を発表しました。そのとき驚いたのですが、日本の学生の設計案は全て、自分の計画する建物だけの表現だったのに対して、マルセイユの学生は、全て、街並みを全部描いて、その街の中での計画建築物の位置づけを説明していました。建築に対する考え方の違いがよく現れていました。

面白かったのはマルセイユの学生が、その当時日本で評判だった、どちらかというと京都の町並みの中でも異質なデザインをする建築家に非常に興味をもっていて、見学の案内をしたことです。伝統的な町並みで、なぜそのような建築ができるのか、不思議だったのではないでしょうか。

その場所に昔からある建築をそのまま建てたらいいと言うわけではありません。しかし、「アーリーアメリカン風」や「南欧風」がいい、という希望を聞くと、本当にその場所にそのデザインがいいのか、もう一度よく考えていただきたいと思うのです。どんなスタイルでも、それができた土地で、気候や文化等に影響を受けながら洗練されてきたものです。それをそのまま脈絡のない場所に、ポンと置くことが相応しいかどうか、考えてみましょう。
また、都市の中でも、山の中でも、海のそばでも、いつも同じ大量生産の住宅も、果たしてそれでいいのか、考えさせられます。

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